白雲自在いきいきシニアレポート

刺繍修復のマイスター今村 久光さん  82才 刺繍修復のマイスター今村 久光さん  82才

Vol. 05

若くして京繍の世界に入り、
のちに京呉服の商いに転じ、
60才から再び刺繍の世界をめざし早や20年。
今、今村さんの手がける刺繍修復とは、
何百年も寺院の本堂の正面を飾ってきた
打敷の修復がメインです。

刺繍修復 100年をこえて、時には数百年寺院で大切に使用されてきたにもかかわらず経年劣化した打敷。その刺繍部分をはずし、新しく仕立てた布地に再び縫いつける「載せ替え」という技法でよみがえらせ、同時に刺繍の糸が退色した部分や、欠落した柄の色をあわせ修復します。

色合いや太さ縒り加減など、糸をえらびいにしえの工人(たくみ)のワザを復元することで、百年の歳月の風格はそのままによみがえらせるのです。

それが刺繍修復のむずかしさ、
新作とは全く違った気づかいと
細心の注意が求められるのです。

刺繍とは

インドで生れシルクロードを経て、仏教と共に飛鳥時代に
										日本に伝えられたとされる刺繍。
										繍仏と呼ばれる「仏画刺繍」は、
										奈良時代頃には日本でも制作が始まったとされています。
										インドで生れシルクロードを経て、仏教と共に飛鳥時代に
										日本に伝えられたとされる刺繍。
										繍仏と呼ばれる「仏画刺繍」は、
										奈良時代頃には日本でも制作が始まったとされています。
そして刺繍は平安時代に入ると貴族の間で衣服にも使われるようになり、より繊細な柄の表現のために日本独自の刺繍文化が生まれ、京都では京繍と呼ばれて着物の世界を中心に独自の刺繍文化が伝えられています。 そして刺繍は平安時代に入ると貴族の間で衣服にも使われるようになり、より繊細な柄の表現のために日本独自の刺繍文化が生まれ、京都では京繍と呼ばれて着物の世界を中心に独自の刺繍文化が伝えられています。

教と共に繍仏として、
日本に伝えられた刺繍文化。
今も寺院には打敷を
はじめ袈裟、袱紗など
さまざまな刺繍をほどこした調度品があります。
そうした打敷を中心とする刺繍の
修理修復という京都ならではの工房が
今村さんの仕事場なのです。

村さんは毎朝7時30分には工房にやって来ます。

日々全国の寺院からお預かりした修復依頼の打敷は、大切に扱われてきたにもかかわらず、傷みの激しいものは修復に数カ月もかかることも。

打敷は、まず裏地をはずすところ
から始まります。

さりげなく工人の名前が裏に記されている打敷もよくあるそうですが、さまざまな工人のワザと出会えるこの時が今村さんは一番緊張し、ワクワクするそうです。

繍修復によく使う針は、
細く短い針がメイン。

一針一針が先人のワザとの対話の中で進み、緊張がつづきます。
先人のワザを再現するための今村さんの工夫が生かされる瞬間がつづくのです。

手は作業台の上に、
左手は常に台の裏側において、
一針一針リズミカルに縫っていきます。

繍修復とは、単に傷んだ打敷の刺繍をはずし、
新しい布地に載せかえるだけでなく、100年先、もっと先を見すえて丹精こめて、
当時の工人の想いまでも生かして、よみがえさせることと今村さんは語ります。

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